WEB UNIVERSITY 不動産の価格ってどうやって決まるの?? 2019.08.29
先生「今回から第2章に突入するよ!以前不動産は消費財と投資財に分けることができるってお話をしたよね。第2章ではその投資財としての不動産の価格の決まり方について解説してみよう!」
清水教授のオンデマンド不動産大学 第6回 ~不動産の価格ってどうやって決まるの??~
今回のキーワード
・ゴードン・グロウス・モデル
・安全資産の収益率
不動産価格の決まり方『ゴードン・グロウス・モデル』
先生「それではフドウくん、価格が高い不動産はどんな特徴があるかな?」
フドウ「高い家賃を払ってもらえるような不動産は価格が高いと思います。あとはたくさん人が入るようなところも高い……で合ってますか??」
先生「どちらも正解だよ。それらは経済学上で『将来の収益』や『期待』と呼ばれるものなんだ。これら以外にも様々な要素を通じて不動産の価格は決まっているんだよ。それでは、この話を分かりやすくまとめたゴードン・グロウス・モデルっていう式を使ってお話ししていくよ」
まず、Y :将来の収益は『今後自分が得られるだろう』と考えられる収入のこと。つまり、これは不動産に当てはめて考えると家賃収入のことです。サラリーマンにとってはお給料も将来の収益になります。しかし、家賃が短期間で急激に変動することはなかなか起こりません。
そこで、将来の収益が分子に書かれているのに対して、分母に書かれている3つのファクターABC。これらが不動産価格を左右する重要な要素になります。
フドウ「ABC……どれを見ても難しそうですね。けどとっても気になります!」
不動産価格を左右する3つのファクター
ABCのうち、1つ目がA :安全資産の収益率です。安全資産というのは、国債を筆頭として、運用をする上でリスクが非常に低い資産のことを指します。その安全資産を運用した場合に1年間で得られる収益率がAになります。
一般的に不動産は国債と比べてハイリスクな資産です。国債も不動産も同じくらい高い収益が来るならば、安全な国債をみんな買いたがりますよね。そうなると、リスクの高い不動産に投資するメリットがなくなり、不動産の価値が下がってしまいます。
よって、Aが大きければ大きいほどPが小さくなります。
フドウ「実際は安全資産の収益率は不動産に比べるとあんまり大きくない。だから、不動産の価格が安定するんですね!」
先生「そういうこと!続きは次回解説しようかな。それでは、今日の講義はここまで!」
(続きます)
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Writer:HRI journal 編集部
Tag:#清水教授