生活習慣改善で脳卒中・心筋梗塞は予防できる!

BUSINESS TREND 生活習慣改善で脳卒中・心筋梗塞は予防できる! 2019.09.12

スーパードクター明星智洋による『働く大人の健康法』では、最近著書「先生!本当に正しい『がん』の知識を教えてください!」を出版された明星先生にお越しいただき、弊社代表の吉崎誠二との対談を通じて現代のがん診療について学んでいきます。

第8回では、これまでのがんのお話とは違い、生活習慣と動脈瘤の関係について説明していただきます。

スーパードクター明星による『働く大人の健康法』第8回~生活習慣改善で脳卒中・心筋梗塞は予防できる!~

今回のキーワード
・生活習慣
・脳卒中
・MRA

働く大人の生活習慣病

吉崎「バリバリ働いてる人って40代50代でがんが増え始めますよね。あれって過去のハードワークとか、遅くまで仕事をしていたっていうのが影響するんですか?」

先生「がんに関してそれは今のところ証明されてはいないね。ただ、ストレスが血管に悪さをするから、ハードワークが脳卒中※1や心筋梗塞に与える影響はある

※1.「脳卒中」は、脳に血液が流れなくなることによって脳の神経細胞が壊死する病気全般を指す言葉。「脳卒中」の中でも、脳の血管が詰まったり閉塞したりするものは「脳梗塞」、脳の血管が破れて脳内で出血するものが「脳出血」という病名になります。

吉崎「がんと比べても脳卒中や心筋梗塞になっている方はかなりの高確率で亡くなってるイメージがありますけど、実際脳卒中とかも治りにくいんですか?」

先生「ジャニー喜多川さんが脳出血で亡くなったじゃない? あれは動脈瘤が原因なんだけれども、動脈瘤があっても脳出血は予防できるんだよね。なぜなら動脈瘤があれば、クリップで止めたりコイルでふたをしたりすることで、動脈瘤の破裂を予防することができるから。対してがんは予防できるがんもあれば予防できないがんもあるんだよね」

吉崎「脳出血の予防法ってどんなのがあります?」

先生「まずは検査だね。脳ドックでMRA※2という検査をやれば、動脈瘤に気付かず放置して死ぬ確率はかなり減らすことができる。だから、ちゃんと検査をする人の方が絶対に長生きする」

※2.MRA:脳の血管を写し出して、脳卒中の原因になる脳動脈瘤や動脈硬化を見ることができる検査

吉崎「じゃあどのくらいの頻度で検査すればいいんですか?」

先生「たとえば、脳ドックを毎年やればいいのかって言ったら、高いからなかなか手が出せないよね。それに、動脈瘤なんか頻繁にできるものではないし、もしできたとしてもすぐ破裂するものでもない。だから脳ドックは5年に1回くらいで十分だね」

心筋梗塞や脳梗塞の予防法— もし動脈硬化が見つかったら?

吉崎「心筋梗塞や脳梗塞はどう予防すればいいんですか?」

先生「心筋梗塞や脳梗塞は動脈硬化の成れの果てだから、動脈硬化があれば血圧をコントロールすればいいし、糖尿病や高脂血症、高血圧などの生活習慣病がある人は投薬などでコントロールすればいいし、塩分を控えればそれ以上悪化しないんだよね。それでも動脈硬化が進んじゃってる人は血液をサラサラにする薬を飲んで少しでも予防することができる。それでも心筋梗塞で詰まってしまったら、カテーテル治療で血管を通すことはできる。だから、究極を言うと救急体制さえ整っていれば心筋梗塞や脳梗塞で死ぬことはない。ただ、やっぱり大事が起こる前に検査で早期発見しておくことが重要だね」

吉崎「なるほど。僕も検査の時に結構血管が詰まってきてるねって言われたんで、危機感を抱いてダイエットしようと思いました」

先生食事制限をしたり運動したり、そういう習慣を通じて心筋梗塞や脳梗塞は予防ができるってことだよね。でもその検査をやらない人が多いし、もしくはやっても生活習慣を変えなければ意味がないんだよね。だから検査から習慣の改善まで含めて予防が重要になるんだ

(続きます)

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