HUMAN RESOURCE コミュニケーションの側面から考える不動産業界の特徴 2019.10.28
エンゲージメントクラウド『Talknote』の開発・販売を行うTalknote株式会社 取締役の和田郁未さんにお越しいただき、全経営者に共通する悩みの種と言っても過言ではない「人」「コミュニケーション」を軸にした組織改善について吉崎と対談を行いました。
不動産業界でのTalknote導入事例
Talknoteを導入している企業はどんなところが多いんですか?
吉崎
和田
特に業種に偏りはないのですが、敢えて言うならサービス業が多いですね。具体的には、多店舗展開している美容・飲食・不動産会社が多いですね。特徴としては、労働集約型というか、人がどれくらい増えるかが会社の成長に直結しているという企業ですね。
不動産業界とかも、悩んでいる経営者が本当に多いと思いますよね。経営者がもともと営業出身で仲間で会社を立ち上げて、人は増えていくんだけど、本人以上に仲介業が出来ないという会社も多くて…。社員はアポをとって、あとは経営者自らが営業に出向いて数字をとってくるようなところですよね。
吉崎
和田
“超属人的”って感じなんですね。
導入企業様の中にも、不動産業界の企業様も多くいらっしゃいます。ある不動産会社の経営者の方は、Talknoteを通じて、会社の理念だけでなくて開発したマンションへの細部に渡るこだわりなんかを発信されています。また、合理的な導入メリットとして、不動産査定の部署と売却の部署とのコミュニケーションがかなり円滑にとれるようになって、スピード感が増して、利益増に繋がったともおっしゃって頂いています。
感情タイプの経営者と論理的タイプの経営者、そして、従業員は?
実は、Talknoteの事例に出てくる会社の経営者で、仲の良い友人がいるのですが、彼は、各支店に行った時には必ず従業員と話したり、普段もしょっちゅう従業員とご飯を食べに行ったりしていているみたいで…。それが出来る経営者って本当にすごいと思っちゃうんですよね。そうやって、自分からコミュニケーションを取りに行ける経営者と、そうではなくて、必要だと思っていても、それを避けてしまう経営者って何が違うと思いますか?
吉崎
和田
やはり、もともとある性格…というのはあると思うんです。MBTIという性格診断ツールがあって、外交的か内向的か、感情的か論理的か、直感的か感覚的か…という風にして、人の性格を16パターンに分けるんです。この中で感情的か論理的かって、基本的には約半々になるんですね。それで言うと、感情的な人というのは、人の気持ち…例えば、「誰か悲しい思いをしている人がないか。」などを重視するんですが、それに対して、論理的な人は「問題解決」に走るので、「一人が傷ついていても最大多数が幸福であればいい」という考えなんです。私もそっちのタイプなんですけど(笑)
そうなんですね(笑)
吉崎
和田
つまり、良し悪しや正解というのはないと思っています。先ほどの経営者の方も、すごく感情的な方なんだと思うんです。だから、普通にそれが出来るというだけ。そうするのが当然だと思っているだけなんだと思います。
自分たちのことを翻って考えると、経営コンサル出身の経営者で、規模が大きくなっていない会社が多いのは、そういうことなんでしょうね…(苦笑)論理的でその場で解決していくから…
吉崎
和田
論理に紐づいて合理的な判断が出来る人達は一定数いるけれども、そうではなく感情で動く人も中に約半数いて、なおかつ、人間の意思決定は、結局のところ感情で動くことが多いので、感情の部分をある程度掴んでいかないと、人が増えていかないのかなと思います。
先ほど、ご自身はそのタイプじゃないっておっしゃっていましたよね。感情的なタイプになろうと力を入れているってことですか?
吉崎
和田
はい、力を入れています!例えば、私は社内では、「感情的」タイプの人に傍についてもらい、その人に伝え方などを逐一相談するようにしています。先日も、ある制度を社内で導入しようとした時、彼女に相談したら「いいと思いますけど、それをTalknote上でパっと一斉に伝えるだけでは、みんながついて来られないので、関係のあるグループの人たちにまずは直接対面で話して下さい。」とアドバイスをもらって実行しました。
でも、和田さんのタイプとしては合理的にパパっと進めたいって思ってしまうわけですよね。よくそれを止められますよね。
吉崎
和田
でも、結果的に感情タイプの彼女の助言を受け止めて、止めた方が合理的でうまくいくって思っているので…。
離職率が高い不動産業界。処方箋は?
不動産業界でも熱いタイプの経営者の方がいて頑張っているけれども、どうしても業界自体、離職率が高いんですよね。感情的タイプの方でも、そこは割り切っているんですかね?
吉崎
和田
ある程度は割り切っていると思うんですが、「こういう離職はさせたくない」という一定のルールは設けているように思います。たとえば、入社3か月くらいで、職種や会社の風土が合っていないということだと、その人の人生にとってよくないので割り切れるのですが、半年以上たって、仕事自体はいいのだけれど、人間関係や社内の制度とかに不満があってとなると、それはどうにか出来ないかと…。
後者の理由での退職を減らすためには、具体的に、経営者は何をしたらいいですか?
吉崎
和田
とにかく、在籍する社員に対して考えていることを日々発信していくことだと思います。従業員は、自分が判断できるだけの材料が多ければ多い程いいと思うんです。人って苦しい状況になると、向かう先や視野がどうしても狭くなってしまうので、今の仕事が何のためにあるのか、自分の人生や社会に何の役にたっているのかが、見えるようになるだけで、全然違いますから…。
「1週間に1回こういう内容だけは伝える」とか「この数字はオープンにする」とか、一定のルールを決めることで、ある程度の成果は出せるとは思います。
吉崎さんも、社員に伝えるということで悩まれているんですか?
伝えた方がいいと思っているけど、「伝えなくても分かるだろう」と思ってしまうタイプです。自分でもダメな経営者だと思いますよ。
吉崎
和田
ダメではないと思うんですけど…人数という点で大きくしたい場合だと、自分の翻訳者がいると楽だと思いますね。
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