HUMAN RESOURCE 人材採用成功の教科書 2019.08.22
人、モノ、金は経営の3資源であると言われて久しいですが、どの時代においても経営者から人材に対する悩みがなくなったことはないでしょう。
その悩みは採用・育成・定着・配置・退職と千差万別です。
このコラムでは人材に関する悩みを少しでも解消すべく、20年以上にわたり、多くの中小企業の人材採用や育成を支援してきた私が、そこで体得した成功法則を、今の時代に合った形で発信できればと思います。
第1回目は採用に関するテーマで進めてまいります。
~高い有効求人倍率が続く今、採用市場はどうなっている?~
44年4か月ぶりの有効求人倍率1.6倍!、と騒がれてから早や1年が経過しました。
今も変わらず1.66倍と高い数値を示し続けています。
弊社にも採用に関するご相談が数多く寄せられており、いかに採用難の時代であるかを身をもって体験できています。
採用活動を簡単に分解すると、集める→会う→興味を持たせる→見極める→口説く→合意する→入社する、となります。
「採用がうまくいかない」、というご相談についてはまず、この流れの中でどこが問題なのかを見つけています。
~採用難の理由とは~
採用に関する相談は様々ではありますが、最も多いのが募集(集める)に関する相談です。
人が来ない、集まらない、若手が採用できない、高い広告費を払っているのに一向に効果が出ない。と、多くの企業様で悩まれている問題です。
44年前の採用難の時代について44歳の私は状況を知りえませんが、現在の採用難の理由は、
①求人企業数、求人数の増加
②募集方法の多様化
③働く人の価値観の多様化
の主に3つです。
そしてここから先の10年で、15歳から65歳までの生産年齢人口は550万人減少することが確定しています。
景気に連動する形で求人倍率に変動が出ていた動きから、今後10年に関しては人口減少に伴う求人倍率の変動という、これまで体験してこなかった状況に入ります。
より募集するのが困難になる環境になります。
~募集活動成功の秘訣は~
そのような環境下でいかにして募集活動を成功させるか。
採用活動の最初のステップは、数多くの求人募集がある中で、自社の求人をいかに発見してもらうか、選んでもらうか、の競争です。
大量生産・大量消費の時代から、多品種小ロットの時代に変化したように、
募集活動においても多くの人を集めて、その中から選んで採用する、という時代から、
求める人材に自社の求人を選んでもらう、という時代に間違いなく変化しています。
だからこそ募集活動の成功は、「自社の求める人材をしっかりと定義する」ところからスタートすることになります。
20代後半から30代の若手、法人営業経験者、転職歴2回まで、といったような漠然としたターゲット設定でも今まではそれなりに募集広告の効果を得ることができました。が、それがもう通用しない時代に突入しています。
採用活動の成功は求人活動から。
求人活動の成功はターゲットの設定から。
この基本についてまずはご理解いただき、次回はターゲット設定について考えていきたいと思います。