DATA 2019年の首都圏中古マンション市況振り返り 2020.01.27
公益財団法人東日本不動産流通機構は、首都圏における2019年(2019年1~12月)の不動産流通市場の動向を発表しました。
これによると、2019年における首都圏中古マンションの成約件数は前年比2.4%増の38,109件で、2年ぶりに前年を上回りました。 この数は、2017年(37,329件)を超える過去最高でした。また、成約物件の1㎡当たり単価は首都圏平均で前年比3.6%増の53.45万円で、7年連続の上昇。この7年で40.0%も価格水準が上昇しています。都県・地域別に見ても、すべての都県・地域で上昇しています。
■首都圏中古マンション成約件数の推移
■首都圏中古マンション成約㎡単価の推移
価格の上昇は、取引の中心が中・高額物件に移行していることに起因しているようです。次のグラフをご覧ください。
■首都圏中古マンション成約価格帯
2015年頃は成約価格3,000万円までが6割を占めていましたが、2019年は5割を切っています。中でも、5,000万円超7,000万円以下の物件が増えているのが分かります。
■新規登録件数の推移と価格乖離率
成約価格が過去最高となった一方で、新規登録件数は前年比1.0%減の204,891件と、過去最高であった前年を下回ったものの、2年連続で20万を超える高水準で推移しています。2009年と比べると年間の新規登録件数は7万件増えています。
また、新規登録価格と成約価格との差として算出した「乖離率」(※乖離率=1-新規登録㎡単価÷成約㎡単価)の推移を見ると、近年は乖離が小さい傾向にあります。需要と供給の関係で言うと、需給関係がタイトな状況と言えますが、一方で次に出てくる成約に至るまでの日数が長期化していることを鑑みると、スピーディに売れず滞留する物件があるため売り手としては強気な価格を設定しにくい状況にあるとも考えられます。
■登録から成約に至るまでの日数
2019年における成約までの平均日数は81.7日でした。成約までの日数は年々長期化傾向にあるようです。背景には、上に見たように新規登録物件数が増えていることが一因として考えられます。