CRE CREの具体的な4つのアクション(前編) 2020.07.17
前回のコラムでは、CRE戦略のアドバイスを行うプレーヤーによっては限られた選択肢しか提示しない場合があるとお伝えしました。そして、企業経営者としては、アドバイスを受けるプレーヤーによらず、自由な選択が出来るように多くの選択肢を知っておくべきであり、また、CREアドバイザーとしては、多くの選択肢を提示した上で最適な解をクライアント企業と一緒に解いていかなければなりません。
それでは、具体的にどのような選択肢があるのでしょうか。
CRE戦略の具体的なアクションは大別して「自社活用」「不動産賃貸としての活用」「売却」「定期借地」の4つあると言えます。今回は「自社活用」「不動産賃貸としての活用」をお伝えします。
自社活用
自社活用とは、その名の通り自社で活用することです。その中でも、工場や店舗へと活用しそこから直接本業の収益を得る「直接収益」と、寮や社宅、保養所などの福利厚生施設にして社員の満足度を上げることで、言わば間接的に収益を得る「間接収益」に分けることが出来ます。
過去には目的を持って取得されたはずの不動産が、ライフスタイルの変化、企業のグローバル化に伴う生産拠点の移転や企業自体のライフステージの変化、さらにはインターネットの普及など、企業不動産を取り巻く環境が目まぐるしく変化し、その影響で事業目的を果たされることがなくなったために、遊休不動産と化してしまったわけです。つまり、活用できないから遊休化しているわけなので、本業での活用はあまり期待ができないかもしれませんが、例えば、フランチャイズチェーンへの加盟や全く別の新ビジネスへの挑戦なども考えられるかもしれません。
不動産賃貸としての活用
賃貸住宅や賃貸オフィスビルといった活用のことで、家賃収入を得ることが出来る不動産への活用です。賃貸と言っても、「建物貸し(駐車場なども含む)」か「土地貸し」かに大きく分けることが出来ます。前者は、「建物の所有を目的」としますが、後者は「建物の所有を目的とするための土地貸し」となります。
■建物貸し(上)と土地貸し(下)の違い
更に、建物賃貸には大きくわけて2種類あります。それは、更地に建物を建てる方法と、元々ある建物をリノベーションして別の用途にして賃貸するコンバージョンです。
コンバージョンとは、例えば、使わなくなった社宅をリニューアルして、賃貸住宅にする。また、ホテルを賃貸住宅に用途変更するといったものです。
次回は、残りの「売却」「定期借地」についてお伝えします。