CRE CRE戦略のアドバイスを行う主なプレーヤー 2020.06.24
CRE戦略と言っても、その様態には様々なパターンがあります。にも関わらず、実は、選択肢があることを知らずに、つまりは、他の選択肢と比較検討することなくCRE戦略を進めてしまうケースが多々あります。なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。
それは、CRE戦略のアドバイスを行う企業それぞれの目論見でCRE戦略が進んでいくからです。一体どういうことでしょうか?CRE戦略のアドバイスを行うプレーヤーは、その得意とする分野ごとに3つに大別することが出来ます。
不動産仲介会社
メインは「売買」です。売買手数料が主な収入となります。しかも、不動産の売買となるとその仲介手数料はかなりの額になります。売買仲介の場合、売主から仲介会社が受け取る仲介手数料は売買金額の3%、買主から仲介会社が受け取る手数料も3%となります。例えば、1億円の土地だと売主は仲介会社に300万円、買主は仲介会社に300万円支払うことになります。仲介会社が双方代理だった場合は、最大600万円を手にすることが出来ます。
銀行系列の不動産会社
中小企業の財政状況を把握しているというのが銀行系の最大の強みと言ってもいいかもしれません。また、地銀には、後継者難で事業用の不動産を売却したり整理したりする相談が増えており、系列の不動産会社がそれを対応するパターンが考えられます。
土地活用・建築系
遊休地や低・未利用地に不動産を建ててもらう、つまり、建物建築の受注が目的となります。アドバイスをしている企業の「土地」の上に建てられる建物の建築受注が重要なわけなので、もし、土地が「売買」になってしまった場合は、買主次第で建物を自社で建ててくれない可能性も出て来ます。また、土地が「定期借地」となってしまった場合も同様で、借主次第で建築受注をとれなくなる可能性があります。
この他にも、最近新たに加わってきた、相続系の事業承継のプレーヤーなどもあります。
極端に言えば、これらの主力プレーヤーが、各々の思惑でCRE戦略のアドバイスを行っており、企業にとって最適な選択肢を提示しきれていない場合があります。企業経営者としては、CRE戦略の選択肢の全てを把握しておく必要がありますし、CRE戦略のアドバイスを行うものとしては、全てを提示するべきと言えます。