どこよりも大規模な投資家アンケート?!住宅・土地統計調査から見る不動産投資をしている人の属性

BUSINESS TREND どこよりも大規模な投資家アンケート?!住宅・土地統計調査から見る不動産投資をしている人の属性 2019.11.25

総務省は9月30日、「平成30年住宅・土地統計調査」のうち、「住宅及び世帯に関する基本集計(確定値)」の結果を公表しました。今回150超のデータが一気に公表され、全国・都道府県だけでなく、市区町村まで細かく集計されており、私たちは住宅や土地に関するより精密なデータを見ることが可能になります。【日本の住宅の今を知る!住宅・土地統計調査を大解剖】と題した特集で、この「住宅・土地統計調査」で気になるデータをピックアップし、深堀していきたいと思います。

不動産投資関連サイトで、不動産投資家を対象にして行ったアンケート結果がよく発表されています。不動産投資家の年齢や職業、年収といった属性をはじめ、不動産投資を始めたきっかけや目的、また、投資家から見た今後の不動産市況など。これらは、実際に不動産投資を行っている人への「深堀」アンケートであり、不動産投資を行う方にとっては貴重な情報になります。しかし、アンケート調査となると回答者数は多くて数百人という規模になります。また、たいていの場合インターネットでのアンケ―ト調査になるため、ネットリテラシーが属性にも大きく影響を与えることも考えられます。

今回は、住宅・不動産投資家調査から、不動産投資家の属性についてデータを収集してみます。タイトルに「大規模」と謳いましたが、もちろん、住宅・土地統計調査の特性上、全てを網羅しているわけではありません。しかし、標本数やどの年代にも幅広く調査しているという点で、「大規模」と言えるのではないでしょうか。
冒頭に、タネ明かしをしてしまいますが、普段見る不動産投資のアンケート調査とは若干異なった結果となっています。早速見て行きましょう。

不動産投資をしている「世帯」は全国でたった2.6%

住宅・土地統計調査では、「現住居以外の住宅の所有状況」という項目があり、その内容として以下のように分類されています。
■居住世帯のある住宅
-親族居住用、貸家用、売却用、その他
■居住世帯のない住宅(空き家)
-二次的住宅・別荘用、貸家用、売却用、その他
今回は、居住世帯の有無関係なく「貸家用」を所有している世帯を「不動産投資を行っている世帯」として、集計しました。

全国で、不動産投資を行っている世帯は、140万世帯あり、総世帯数で割ると約2.6%の世帯が不動産投資を行っていることが分かりました。意外と少ない数字が出て驚かれた方も多いかもしれません。

不動産投資をしている年齢は、65歳以上がなんと半数超!

次に、貸家を所有しているオーナーの年齢を見ていきましょう。

圧倒的に65歳以上のオーナーが多いのが分かります。「大家さん」としてのイメージがもっともぴったりくるのがこの年代かもしれませんが、実際に年金対策として、または、これまで自宅として住んでいた家を賃貸に出し、自分は高齢者向けの住まいに住み替えるというパターンも考えられます。また、昨今ではサラリーマン大家として、書籍やインターネットのサイトで若い世代への不動産投資が提案されていますが、まだまだ割合は少ないようです。

やはり”サラリーマン大家さん”が多いの?

こちらは、不動産投資をしている人の「従業上の地位」を見たものですが、「自営業主」「雇用者」「無職」間で大きな差はありませんでした。意外とサラリーマン大家さんは多くはないようです。そして、注目すべきは「無職」です。こちらは、先ほどの高齢者の割合に起因していると考えられます。

不動産投資をしている人の年収は?

次に、不動産投資をしている人の収入をみていきます。
ちなみに、住宅・土地統計調査では、収入を以下のように定義しています。

「収入には給料・賃金のほか、ボーナス・残業手当などの収入、副業や内職による収入、年金・恩給などの給付金、配当金・利子・家賃・地代などの財産収入、その他仕送り金などを含む。」

まずは、不動産投資を実際に行っている世帯における、世帯主の年収の割合を算出した結果がこちらです。

意外と300万円未満が多いですが、こちらも高齢者オーナーが多くを占めていると考えられます。普段よく見る不動産投資家へのアンケート調査よりも、年収の層が比較的低い印象を受けますね。

次に、各年収ゾーンにおいて、不動産投資をしている世帯の割合を算出してみました。これを見ると、年収が高くなれば高くなる程、不動産投資をしているという実態がよく分かります。特に、1,000万円を超えると、その割合は高まってきます。ここら辺の年収になってくると、「副収入目的」というよりも、「節税目的」という色合いが濃いのかもしれません。

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