男性特有のがん・女性特有のがん

BUSINESS TREND 男性特有のがん・女性特有のがん 2019.09.17

スーパードクター明星智洋による『働く大人の健康法』では、最近著書「先生!本当に正しい『がん』の知識を教えてください!」を出版された明星先生にお越しいただき、弊社代表の吉崎誠二との対談を通じて現代のがん診療について学んでいきます。

第9回では、男性特有のがんと女性特有のがんについて詳しく教えてもらいます。

スーパードクター明星による『働く大人の健康法』第9回~男性特有のがん・女性特有のがん~

今回のキーワード
前立腺がん(男性特有のがん)
子宮頸がん(女性特有のがん)

男性特有のがんは…?

吉崎「男性特有・女性特有のがんってどんなのがあるんですか?」

先生「男性特有のがんについては、男性にしかない特有の臓器について考えてみればいいね。たとえば陰茎がん、前立腺がんなどが存在するね。陰茎がんは稀だからあまり考えなくていい。精巣腫瘍というがんもあって、10代20代の若い人が罹りやすいんだよね。これは抗がん剤がめちゃくちゃ効くので治る可能性が非常に高いんだ。」

吉崎「男性特有で言うと、前立腺がんは僕たちの世代だとだいぶ気になってきますよね」

先生「たしかにそうだね。年を重ねるにつれてホルモンの影響で前立腺が肥大化しておしっこが出にくくなることがあるんだよね。それが前立腺肥大症。それがさらに悪化するとがん化するんだね。前立腺がんはPSAという腫瘍マーカーを使えば早期発見できるんだ。腫瘍マーカーの数値は通常4以下なんだけど10以上になったらがんかもしれない。数値が0だったのに1年後に急に10になるなんていうことはなくて、ゆっくり悪くなるんだよね。だから、それを毎年やっていれば、前立腺がんは早期発見できるから死ぬことはほぼない。早期発見すればホルモン剤の投与や放射線治療で治すことができるからね」

吉崎「ちゃんと早期発見してたら簡単に治せるってことですね。」

先生「そう。逆に健診に全然行かずに放っていたらすでに全身に転移していましたって状態で発見される場合もあるね。男性特有のがんはそれくらいだね」

女性特有のがんは…?

吉崎「逆に女性特有のがんはどんなものがありますか?」

先生「男性の場合と同じように女性特有の器官を考えると、乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどが思い浮かぶね。子宮頚がんは原因がはっきりしていて、ヒトパピローマウイルスというウイルス感染によるものだと分かってるんだ。ウイルスがそこに住み着いていてずっと刺激を与え続けるからがんになる。このウイルスは性交渉で男性に感染することもあるんだけれど、男性の場合はウイルスを洗い流すのが容易なため住み着いて刺激を与え続けられるということはない。女性の場合は感染したウイルスを直接洗い流すのが難しいから簡単にはウイルスを除去できないんだよね」

吉崎「なるほど。ちなみに子宮頸がんってどんな症状が出るんですか?」

先生「子宮頸がんは症状が出にくいんだ。逆に言うと症状が出たら、進行している可能性が高いんだ。だから積極的に検診をしないといけない。一定年齢を超えると、地方自治体によっては子宮頸がんの検診が無料で受診出来たり補助が出たりするので、自治体から検診の案内が来たら必ずチェックするようにした方がいいね。」

(続きます)

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