WEB UNIVERSITY 不動産価格を決めるリスクプレミアムと成長性 2019.09.02
先生「こんにちは。前回は投資財としての不動産価格の決まり方を表すゴードン・グロウス・モデルのうち、Y :将来の収益とA :安全資産の収益率について説明したね。今日は前回の続き、3つのファクターABCのうちB :リスクプレミアムとC :成長性・期待についてお話していこうかな」
清水教授のオンデマンド不動産大学 第7回 ~不動産価格を決めるリスクプレミアムと成長性~
今回のキーワード
・リスクプレミアム
・成長性・期待
不動産価格を左右する3つのファクター
フドウ「A :安全資産の収益率は前回話したみたいに主に国債のことを指していて、これが大きくなればなるほど不動産の価値が下がるんでしたよね。B :リスクプレミアムはどんな特徴があるんですか?」
B :リスクプレミアムは、リスクの高い不動産で得られそうな収益率から安全資産の収益率を引いた差のことです。この『得られそう』という点が非常に重要になります。得られそうな収益は、不動産価格の変動しやすさ(ボラティリティ)に基づいて決められます。ボラティリティが大きいということは、不動産の価格が大きく値上がりする可能性があるということですが、それは反面大きく値下がりする可能性もあるということになります。
フドウ「つまり、リスクプレミアムが大きいと大きな利益が出るかもしれないし大きな損をしてしまうかもしれないってことですね」
先生「その通り。いくら利益が大きくてもリスクまで大きかったらみんな投資したがらないよね。だから不動産の価値が下がる要因になるんだ。そして最後のファクターがC :成長性・期待だね!」
C :成長性・期待は、需要と供給のバランスによって、大きさが変わります。例えば、不動産に対する需要が高まれば不動産市場が成長しやすくなり、リスクがあまり考慮されなくなります。すると期待が高まって、不動産の価格は伸びていきます。逆に供給が多くなりすぎれば、期待は低くなって不動産価格は下落していきます。
フドウ「なるほど!不動産価格の決まり方をこんなにシンプルにまとめられるなんてすごいです!これで不動産価格については完璧ですね!」
先生「実はあと少しだけ知っておかないといけない要素があるんだ。それについては次回説明しようかな。それでは今日の講義はここまで!」
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