BUSINESS TREND 治りにくいがんの見つけ方 2019.08.30
スーパードクター明星智洋による『働く大人の健康法』では、最近著書「先生!本当に正しい『がん』の知識を教えてください!」を出版された明星先生にお越しいただき、弊社代表の吉崎誠二との対談を通じて現代のがん診療について学んでいきます。
第4回では、治りにくいがんとその検査法についてお話してもらいます。
スーパードクター明星による『働く大人の健康法』第4回~治りにくいがんの見つけ方~
今回のキーワード
・治りにくいがん
・樹状細胞ワクチン
・CT検査
治りにくいがんは「胆管がん」「すい臓がん」
吉崎「そういえば治りやすいがんの話はしたけど治りにくいがんってどんなものですか?」
先生「抗がん剤が一番効かないのは胆管がんやすい臓がんだね」
吉崎「胆管がんもすい臓がんも発見されたらもうほとんど治らないって言われてますよね」
先生「これらは症状が現れにくいのが特徴だね。強いて言うなら白目に黄疸ができることが症状なんだけど、そうなってる頃にはほぼ末期で手術ができない。抗がん剤も効きにくいし新薬の開発も進んでいない。10年前の治療と何も変わっていないんだ。抗がん剤の効きにくさで言うと胃がんだね。逆に乳がんや大腸がんは抗がん剤が効きやすいね」
吉崎「すい臓がんは発見もしにくいってことですよね」
先生「そうだね。今のところすい臓がんって診断されたら治る可能性は極めて低い。でも樹状細胞ワクチンという新たな免疫治療の開発をするために臨床試験が和歌山県立医科大学で行われてるんだ。まだ保険適用にはなっていないんだけど、これがもし適用になったらすい臓がん治療が大きく進展するからすごいことだね」
見つけにくいがんも発見できるCT検査
吉崎「すい臓がんも胆管がんも相当発見が難しいんですね。僕いつも明星先生のところに行って検査してるけど、それでもすい臓がんと胆管がんはわからないんですか?」
先生「CTを撮ればわかるよ。早期発見をするためには画像検査が重要なんだけどすい臓って胃の裏側に隠れてるのよ。人間ドックって超音波検査じゃん。肺はCTだったりレントゲン撮ったりするけどお腹の中CT撮ることってないんだよね。超音波検査って、胃の中に溜まってるガスで超音波が乱反射して奥が見えないの。ぎゅーって押しても内蔵脂肪だってあるから見えない。仮にすい臓が見えたとしてもその中にがんがあるかどうかなんて尚更見えないんだよね。」
(続きます)
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Writer:HRI journal 編集部