WEB UNIVERSITY そもそも『不動産』って何?? 2019.08.22
清水教授のオンデマンド不動産大学へようこそ!
本特集では、東京大学不動産情報科学研究室特任教授である清水 千弘(しみず ちひろ)先生をお招きして、不動産業界で仕事をする方や不動産投資に興味のある方など、『不動産』関わりのある方々にとって役に立つ専門知識をお届けしていきます。
【登場人物】
清水千弘先生
1967年 岐阜県大垣市生まれ。東京大学不動産情報科学研究室特任教授。
ほんわかとした性格とは裏腹に、鋭い切り口で不動産業界を解剖していきます。
フドウくん
不動産について詳しくなりたいと考えているHRIのメンバー。
清水先生の下で不動産について勉強することになりました。
それでは早速最初の講義スタートしていきましょう!
清水教授のオンデマンド不動産大学 第1回 ~そもそも『不動産』って何??~
今回のキーワード
・不動産ってそもそも何?
・不動産価格の上昇と下降
フドウくん「清水先生、こんにちは!今日は記念すべき第1回の講義ですね。よろしくお願いします!」
先生「よろしくお願いします。第1回の講義内容は『不動産とは何か』をお届けしようかな。まずは『不動産とは何か』について議論したある会議について紹介しようかな」
2014年欧州中央銀行の国際会議
2014年に参加した欧州中央銀行での国際会議の目的が『不動産の価格指数を作ろう』という話でした。この議題が設定されたきっかけが、リーマンショック時、不動産の価格変動が経済の不安定化に大きな影響を与えたことから、不動産価格への注目が高まりました。それに加えて、IMF(国際通貨基金)の研究では、『景気が後退している時に不動産価格が変動している場合、その景気後退は通常よりも長くて深いものになる』と言われていました。これらより、不動産が経済に大きな影響を与えるということが示唆され、不動産価格の変動を知ることが非常に重要視されていったのです。
先生「不動産の価格変動を測定する指数を作ることで経済市況を読み解いていこうってことになったんだ。でもそこで問題が発生した。作るも何もそれ以前に『不動産ってそもそも何なんだ?』っていうね」
念願のマイホーム購入!そのとき不動産市場は…?
不動産購入を考えている人が、今不動産を買うのに十分な資金を持っているとして、もし今後10年で不動産価格が3倍になるとしたら、得られる利益を考えて、おそらく購入するでしょう。逆に、今後10年で価格が3分の1になるとしたら、損失を考慮して購入しないでしょう。しかし、その購入者が結婚をして子供が生まれることになりました。さらにお父さんとお母さんも孫と一緒に暮らしたいと言ってきたとしたらどうでしょうか。
フドウ「今買うと売るときに損しちゃうし……でもみんなで暮らすには賃貸だと狭いなあ……。んー、みんなに心地よく暮らしてほしいし……必要だから買うと思います!」
先生「そうだよね。このように不動産は価格が上昇しているときでも下落しているときでも購入されることがあるんだ。次回は価格上昇時と下落時の違いについて説明しようかな。それでは、今日の講義はここまで!」
(続きます)
次の記事 【第2回】不動産が持つ2つの顔とは…?
Writer:HRI journal 編集部
Tag:#清水教授