WEB UNIVERSITY PropertyとReal Estateの違いって何? 2019.08.23
第3回では、エリアと不動産の種類で分けるセグメントについて学ぶことができました。
今回は、使用するマーケットにおける需要と供給について勉強していきましょう!
清水教授のオンデマンド不動産大学 第4回 ~PropertyとReal Estateの違いって何?~
今回のキーワード
・不動産戦略
・PropertyとReal Estate
先生「今日は前回の続き『誰が不動産を所有するのか』っていうお話に加えて、後半ではPropertyとReal Estateの違いについて説明していこうかな」
フドウ「PropertyとReal Estateってどっちも不動産って意味ですよね? 違いがあるんですか?」
先生「実は隠れた違いがあるんだけど、それは講義の最後に説明するよ」
誰が所有するのか?
『誰が所有するのか』について説明していきます。一般的に不動産の所有者は上図の三つに分類されます。まず家計というのは住む目的で住宅を購入する人たちのことです。この人たちにとって不動産は消費財としての顔を強く持ちます。だから彼らにとって不動産を購入することは、利益を生むことよりも『住んで嬉しい』という効用を最大化することが一番大事になります。これが家計不動産戦略というものです。一方で、利益を最大化したがるのが企業不動産戦略です。それぞれ効用または利益を最大化するには不動産をどう使えばいいのかを考えて行動を選択するのです。
政府の場合は少し特殊です。政府が所有する不動産の多くは効用を得るのが目的ではないのですが、利益の最大化も目的ではありません。政府にとっての不動産は、その不動産を活かして市民の効用を最大化することが狙いになります。つまり、パブリックサービスを最大化することが公的不動産戦略になります。
先生「このような『誰が所有するのか』っていうのと前回説明した『誰がどのように使うのか』を合わせて不動産を切り分けていくのがセグメントなんだ」
フドウ「確かにこうやって聞くと、セグメントごとに不動産の特色が全然違いますね」
先生「そう、こうやって不動産市場を細かく分けるところから分析は始まるんだね。それではセグメントのお話はここまで。後半に入るよ!」
PropertyとReal Estateの違いとは?
フドウ「Real Estateが消費財と投資財を合わせた総称で、Propertyが投資財のことじゃないかと考えたんですが、どうですか?」
先生「なるほど、そういう捉え方をする人も結構いるかな。たしかに、二つの言葉が使われていく過程でそういう定義も一部では出てきたね。でもそれぞれの語源を考えると、残念ながらハズレなんだ。正解は、Propertyがイギリス英語でReal Estateがアメリカ英語なんだ」
フドウ「……え?それだけですか?」
先生「そう、それだけ。けど、実は不動産について研究していても、それだけのことすら分かっていないっていう人は結構多いんだ。実際、僕がいろんな大学で講義する時も不動産について研究しに来ている学生のうちのほとんどが知らないことが多いんだよ。それらも踏まえて不動産について勉強していこう!それでは、本日の講義はここまで!」
(続きます)
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Writer:HRI journal 編集部
Tag:#清水教授