BUSINESS TREND 気になるセキュリティ事情 2020.01.20
株式会社リクルート住まいカンパニーが毎年行っている「賃貸契約者動向調査」では、賃貸物件を契約した人へのアンケート結果で、賃貸住宅のトレンドなどを把握することが出来ます。
「家賃が上がっても欲しい設備」の結果では、「TVモニター付きインターフォン」が「独立洗面台」「エアコン付き」に続き第3位で64.9%、特に女性においては83.4%と高い割合となりました。他にも、「ディンプルキーなどピッキング対策の鍵」や「セキュリティシステム(警備会社)」「防犯カメラ」とセキュリティに対する需要が高まっています。
今回は、住宅・土地統計調査でセキュリティに関する項目を見ていきたいと思います。
地域によって大きな格差。まだまだ低いマンションのオートロック普及率
住宅・土地統計調査において、「非木造の共同住宅の状況」をマンションと想定し、セキュリティ設備が備わっている住宅戸数を総戸数で割った数を「普及率」として算出しました。
まず、オートロックの普及率は全国平均で38.5%と意外と低くなっています。
しかし、オートロックの普及率は都道府県によってその数値は大きく変わります。
■都道府県別 オートロック普及率
黄色で塗りつぶした都道府県はオートロック普及率が40%を超えるエリアですが、都市部がずらりと並びます。一方で、山梨県はわずか10.5%でした。
次に建築の時期別にみた普及率は以下のようになりました。
■建築の時期別 オートロック普及率(全国平均・東京23区)
2000年以降は6割以上のマンションでオートロックが設置されているのが分かります。東京23区に関しては、8割とやはり高い割合となっています。
エレベーター内の防犯カメラ
次にエレベーターがあるマンションにおいて、エレベーター内に防犯カメラが設置されている住宅の割合を算出してみました。
エレベーター内の防犯カメラの普及率は67.7%とオートロックより高くなっています。
オートロックの普及率よりもエレベーター内防犯カメラの普及率が格段に高いのは、オートロックは構造上の問題で後付けが難しいのに対し、エレベーター内はあとからでも設置が出来るセキュリティ設備だからだと見当がつきます。実際に1970年以前に建てられたマンションでも、普及率が約50%と比較的高い水準となっています。
Writer:黒山裕子
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