BUSINESS TREND 新築マンション高騰 一方で契約率の低下が続く 2019.12.18
株式会社不動産経済研究所は17日、2019年11月度の首都圏マンション市場動向を発表しました。
首都圏の2019年1月~11月までの新規発売戸数は2万4,856戸で、前年同期間で比べるとマイナス16.3%、株式会社不動産経済研究所によると12月は6,500戸を見込んでいますが、それを加えても3万1000戸強と1992年(2万6,248戸)以来、27年ぶりの低水準になると予測されています。
■首都圏新築マンション供給戸数長期推移(単位:戸)
(株式会社不動産経済研究所資料より弊所作成。以下同様)
供給戸数は東京オリンピックを控えていることや、消費税増税の影響など、各社の販売戦略が大きく関係していますが、新築マンション価格高騰することによる消費者の購買意欲の低下も供給戸数減少に深く結びついていると考えられます。
■首都圏新築マンション平均価格長期推移(単位:万円)※2019年は11月までの平均値
2011年頃から高騰が続き、平均価格はバブル期の水準にまでなっています。
今後も高騰が続いていくのでしょうか?高騰の要因としては、建築コストや地価の上昇に加えて、消費者の購買意欲という「需要面」もキーになります。低金利が続き融資面では好条件である一方、そもそも新築マンションの価格自体が高いことで購入を諦め中古マンション等に流れるケースも増えています。
それを反映してか、高騰が続く一方で、新築マンションの当月契約率は低下しています。好調と言われるラインである70%を下回っている月が続き、3か月連続で60%以下となっています。
■首都圏新築マンション契約率の推移
契約率の低下がすぐに需給関係の崩れに向かう可能性は低いですが、新築マンション価格ばかりに目を向けるのではなく、契約率にも注目していく必要がありそうです。
Writer:黒山裕子
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