BUSINESS TREND 旧耐震の割合が最も多いのは〇階建てマンションだった! 2019.10.25
総務省は9月30日、「平成30年住宅・土地統計調査」のうち、「住宅及び世帯に関する基本集計(確定値)」の結果を公表しました。今回150超のデータが一気に公表され、全国・都道府県だけでなく、市区町村まで細かく集計されており、私たちは住宅や土地に関するより精密なデータを見ることが可能になります。【日本の住宅の今を知る!住宅・土地統計調査を大解剖】と題した特集で、この「住宅・土地統計調査」で気になるデータをピックアップし、深堀していきたいと思います。
今回は、マンションの階数と建築年について見ていきましょう。
なお、住宅・土地統計調査では「マンション」というワードでの括りはありません。なので、ここでは【3階建て以上】の【非木造】【共同住宅】をマンションとして定義した上で数字を抽出しました。
戸数で見ると15階建て以上のマンションは僅か5.5%!?
先ほどの定義に則って、階数区分別に戸数を算出すると以下のような結果になりました。
■階数別 マンション戸数の割合
5階建て以下のマンション戸数が約半数を占めています。中でも、3階建てのマンションが多少の差ではありますが、最も多く存在しています。一方で、都市部では開発が著しいタワーマンションですが、15階建て以上のマンションとしてのくくりであっても、全体の5.5%しかないのが分かります。
■建築の時期別 マンションの階数割合
次に、建築の時期別に、マンションの階数で比較してみました。2000年代以降で15階建て以上が占める割合が増えては来ているものの、依然として3階建てのシェアが高いです。
■階数別 マンション建築の時期の割合
先ほどとは逆で、階数別にマンションの建築の時期を比較したのがこちらのグラフです。1980年以前、つまり旧耐震であるマンション戸数の割合を階数ごとでみると(赤い破線)、5階建てマンションのうち、37.4%が旧耐震という結果になりました。他にも、6~7階で13.1%、8~10階で12.1%、11~14階で16.4%と一定割合あるのが分かり、マンション耐震化対策は大きな課題となっています。
Writer:黒山裕子
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